【ロマンス経営論 ♯03】
5フォース編 〜 ポジショニング/自分の立ち位置 〜
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みなさん、こんにちは。ジョン・エミソンです。
今回も、僕のカフェから物語をお届けします。
前回は、カフェの新メニュー、"サンライズ・エスプレッソ"を発表しました。そのエスプレッソは、弟ピーターのサポートで活用した『PDCAサイクル』を通じ、改善と学びを経験し、成長を遂げる“象徴”ともなりました。
しかし、自分たちだけが進歩しているわけではありません。周りも同じく進化し続けています。
僕は、常に競争相手の存在について、仕事でも恋愛でも、現状に向き合うことが不可欠だと考えています。
…
・・・・・ (カラ~ン!ドアの開く音)
「ジョン兄さん、明日モニカのバスケットの試合を一緒に観に行こう!モニカの応援もあるけど、兄さんの出会いの場をもっと広げようよ!」
「ピーター・・ありがとう。とても嬉しいけど、なんだか慣れない場所に行くのは気がひけるなぁ・・。」
・・・と、言いつつ翌日。
カフェ定休日のルーティン作業も済ませ、予定のない午後。結局、僕は試合を観に行くことにした。
(おおおお~!!会場に入ると、ざわめきが聞こえる)
「ハイッ!!!!」
ピーターの彼女、モニカは想像がつかない位に大きな声を出していた。
そして、モニカは受け取ったバスケットボールをゴールへ向けて放った。更に、大きな声でモニカが叫ぶ。
「リバウンド!!※」
(※シュートがゴールに入らず、こぼれたボールを拾うこと。次の得点チャンスを手にするための重要なプレー。)
宙に浮かんだボールの下に目を移すと、
モニカと同じ色のユニホームの背の高い女性、ブロンドの髪をまとめ上げた彼女に目が留まる。彼女はゴール下で競合達を決して中へ入れさせない。
ベストポジションを維持し、彼女はゴールからこぼれたボールをしなやかに拾い、再度ボールはモニカへ渡る。次のシュートをモニカは華麗に決めた。
(おおおお~!!ざわめきが響く)
ピーターやみんなは、シュートを決めたモニカに大声援を送ったが、僕はそのゴール下の彼女から、目が離せなくなっていた。
…
あれから数日。
「・・・(Sunrise Espresso, please.)・・?」
背の高いブロンドヘアの女性を見ると、仕事中でも、あのシーンが蘇る。
(あの時の歓声、ざわめきが頭の中でこだまする。
僕は何故、彼女から目が離せなくなったのか…)
「(Sorry? Hello?)・・・ちょっと?もしもし?」
「あ!? すみません!! サンライズ・エスプレッソを1つですね、 有難う御座います!!」
つい、あのシーンを思い出してしまう。
…
その日の夜、
ピーターとモニカの3人で食事をすることになった。
「兄さん、最近ボーっとしてるけど、どうしたんだい?」と、ピーター。
そして、モニカが思い出したように
「ジョンさん、こないだは試合を観に来てくれて、ありがとうございました。」と言った。
しばらくして僕は、試合を観に行ったときに受けたインパクト、目が離せなくなった彼女について話した。
すると、モニカは意外にも、とても嬉しそうに答えた。
「さすが、ジョンさん!試合を観て一番大切なことに気が付いたんですね!ブロンドヘアの彼女の名前はサンク。そして、彼女は私たちのチーム、Mポーターにとって欠かせない存在。戦略シンボルなの!」
モニカの話は続いた。簡単に整理すると、こうだ。
彼女たちのバスケット・チーム名は『M・ポーター』
業界でとても有名な監督、マイケル・ポーターの名だそうだ。
チーム戦略の最優先は『ポジショニング』
= 優位な立ち位置(位置取り)。
コートの中では、常に、変化が起きるが、どんなシーンでも優位な立ち位置を見つけて確保することだ。
特にサンクは、自分がコート上で、どこにいれば自分の強みを活かし、ライバル達の障壁となり、優位にいられるかすぐに理解する。
「兄さん、サンクはまず最初に、ライバル達にその背の高さと経験の差を見せつけるんだ。相手はすぐに、このゲームを不利に感じる。その時には、もう相手の攻撃はこちらには、全然通用しないんだよ。」
と、ピーターが誇らしげに話す。
「本当にすごいな、サンクって…」
と、僕は感嘆の声を漏らした。
「そうなの。サンクは常に、周りとの相対的な位置を把握しているの。彼女がいるだけで、相手が思い通りのプレーができないんです。そして、それがM・ポーターの戦略なの。」
「それに、サンクはチーム全体をレベルアップさせる存在でもあるんだ。彼女のリバウンドは、チームメンバーへ勇気を与え、プレーの幅が広がるんだ。」
と、ピーターが続ける。
「なるほど、サンクが確実に、リバウンドを取ってくれる安心感。再度、攻撃のチャンスを得れる、まさにPDCAサイクルが何度も行うことができる。サンクの存在は本当に貴重だろう。」
と、僕は感心して言った。
ビジネスでも競争相手と向き合うとき、彼女たちのような戦略とリーダーシップが必要になる。
僕のカフェも、競争が激しい環境の中で差別化を図るために、サンクのようなポジショニングを考えてみるべきだな。と、自然と考え深くなる。
『そういえば、僕のカフェは、今、どこに立っているのだろう。ライバル店や仕入れ先から見た、自分の立ち位置をこれまで、考えたこともなかった。』
そして、お客様とコーヒー・空間の関係。家でも、コンビニでもなく、カフェへ来てくれる価値とは。
「そうですね。ジョンさん。カフェの成長もチームプレーのようなもの。一緒に戦略を考えて、優位な立ち位置を見つけていけば、きっと成功します。」
と、モニカが励ましてくれる。
そんなこんなで、僕たち兄弟は、楽しい夜を過ごしました。競争相手との向き合い方や戦略を学ぶことで、新しい成長への道が開けていくように感じました。
「・・・・兄さん、また新しい恋のチャンスがきたら、ポジショニングだね!兄さんの強みや趣味を見直そう!そのあとは、PDCAサイクルだね!」
と、得意げにピーターが笑顔で言います。
「そうだね、ピーター。新しい恋も、ビジネスも、常に挑戦し続けることが大切だよね。ありがとう、モニカ、ピーター。」
と、僕は心から感謝しました。
そして、次なる挑戦に向けて、カフェもロマンスも新たなステージへと進んでいくのでした。
『…次の恋こそ…Continued next…』
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5フォースの観点から:
物語を通じて。5フォースのうちの1つである「ポジショニング(自分の立ち位置)」に焦点を当てました。
これをビジネスに応用すると、自社の競争優位性を確立し、差別化を図ることができます。以下、5フォースの解説です。
ポジショニング(自分の立ち位置):
ビジネスにおいてポジショニングとは、市場における自社の位置を意味します。競合他社との差別化や独自性を見出し、顧客にとっての特別な価値を提供することで、市場での地位を築くことが重要です。
物語の中では、モニカのバスケットの試合でブロンドの彼女(サンク)が、ゴール下で優位な立ち位置をキープし、チームの戦略を支える存在として描かれています。
(1)新規参入の脅威:新たな競合他社が市場に参入する可能性。競合を上回る差別化が必要です。
(2)代替品の脅威:他の製品やサービスに置き換えられる可能性。独自性や付加価値を提供することが大切です。
(3)既存業者内の競争:同業他社との競争。顧客を引き付けるために、品質や価格などの競争要素が重要です。
(4)供給業者の交渉力:事業に必要な資材やサービスを提供する供給業者の交渉力。パートナーシップ構築が鍵です。
(5)買い手の交渉力:顧客の交渉力。顧客満足を高めることで、競争優位性を確保します。
このように、5フォースには新規参入の脅威、代替品の脅威、既存業者内の競争、供給業者、そして買い手の交渉力が含まれます。ビジネスを成功させるためには、これらの要素を理解し、戦略を練ることが欠かせません。
物語の中でも、モニカとサンクのバスケットの試合を通じて、戦略的なポジショニングの重要性やチームプレーの意義が描かれています。
次のお話では、市場の変化に対する挑戦に焦点を当て、さらなる成長と成功に向けて物語が進展していきます。
次回は…
" 企業ドメイン編 〜恋の領域〜 " お楽しみに^ ^
(※ 経営論は、時代・業界・企業風土によって適しているか異なります。その上で、一つの例として皆さまのご参考になれれば幸いです。)
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